阪神のマウロ・ゴメス内野手(32)が解雇危機に直面している。球団はFA宣言したオリックス・糸井嘉男外野手(35)の獲得に全力を尽くす方針。もしも、糸井虎入りとなれば、ゴメスはその“余波”で今季限りでお役御免となる可能性が出てきたのだ。

 11日にも糸井とのFA交渉に臨む阪神。9日、秋季キャンプ地の高知・安芸で金本監督はFAの申請期間が終わったことにも「よう分からん。いつ公示でいつから交渉なのか。本当にお任せしてるんで、フロント主導だから」とコメントしたが、そんな中、今季スタメン落ちを繰り返すなど打率2割5分5厘、22本塁打、79打点と助っ人として寂しい成績に終わったゴメスの去就が風雲急を告げている。

 ある球団幹部は「仮に糸井をFAで獲れれば、福留をライトから一塁にコンバートさせる。元内野手だから守備の心配はない。そうするとゴメスはいらなくなる可能性が出てくる。糸井の加入で左右されるのは間違いない」と断言するのだ。

 ゴメスについてはこれまでチーム内から「ゴメスほどの選手を別に獲ろうと思えば大変」「性格も悪くないし、一生懸命にやっている」など残留を求める声も少なくなかった。だが、金本監督ら首脳陣の評価は「もう頭打ちかもしれない」とガタ落ち状態だったのも事実。

 球団はFA戦略と同時進行でアレックス・ゲレロ外野手(29=前ドジャース)など三塁を守れる新助っ人獲りにも着手しており、糸井が阪神入りを選択してくれればゴメス不在でも、というわけだ。

 7日にFA宣言の申請書類を提出した糸井は阪神が獲得を目指していることに「選手としてはすごくうれしいこと」と好反応を示した。別の阪神の球団幹部は水面下の糸井獲得調査についても「手応えはあるに近い」と話しており、いよいよゴメスは崖っ縁。糸井獲りともにゴメスの去就問題も緊迫している。