オリックス・糸井嘉男外野手(35)のFA獲得を目指す阪神が“宇宙人流調整”を容認の構えでいる。「あれだけの成績を残している選手。ウチに来るからといってあれこれ注文を付けて縛ることはない。ベストパフォーマンスを出してもらうために必要ならば、自由にやってもらっていい。チームの最低限の規律は守ってもらうが、本人が事前に申告してくれれば問題ない」(球団幹部)

 数々の言動などで“宇宙人”ともいわれる糸井は、オリックスではその独特の感性が優先され、独自調整も許されてきた。伝統球団の阪神ではこれまで、そのようなことは許されなかったが、V奪回の最大キーマンになる存在だけに今回はOKするというのだ。

 糸井は7日のFA書類提出の際には黒髪で登場したが、これまでの金髪を含め、ヘアスタイルやヒゲなどについても「ウチは巨人ではないから。プロなんだし、そこまで厳しくする必要はない」と球団関係者。オリックス在籍4年間で3度の3割を果たすなど結果を残してきただけに、ルールに縛るよりオリックス時代同様の形で調整してもらい、阪神の優勝に貢献してもらおうという算段だ。

 糸井にとってもこれまで通りの調整が許されるのは大きなメリットだろう。そこを阪神サイドは11日から解禁される交渉の席でもアピールしていく。金本監督の直接出馬に4年総額16億円という好条件と背番号「3」の提示など、誠意尽くしの虎。何としても糸井の心をガッチリつかむつもりだ。