初のゴールデン・グラブ賞 これから歩む坂本“超名手”への道

2016年11月09日 16時30分

日本代表の練習で汗を流した坂本

 巨人の若きキャプテンが10年目にして念願の勲章を手に入れた。「三井ゴールデン・グラブ賞」が8日発表され、巨人からは坂本勇人内野手(27)、村田修一内野手(35)、菅野智之投手(27)が選ばれた。坂本、菅野は今回が初受賞。なかでも悲願だった坂本の受賞にはチーム内が沸いており、かつての“名遊撃手”たちからも、祝福の声とともに、愛ある厳しいエールが飛んだ。

 

 今季は首位打者に輝いた坂本が、どうしても欲しかったもう一つのタイトルが、ゴールデン・グラブ賞だった。年々成長を認められながら、昨季もライバルの阪神・鳥谷に阻まれて受賞ならず。吉報を伝え聞くと「毎年取りたいと思っていた賞なので、素直にうれしいです」とコメントした。

 

 坂本を攻守の要と評価する由伸監督は、受賞にも当然といった表情。「俺よりも井端(内野守備走塁コーチ)が喜んでいるんじゃない?」と切り出しながら「正直、個人的には去年以前から取れていてもよかったと思っているぐらい。エラーは増えた(16失策)けれど、十分値すると思う」と祝福した。

 

 指揮官の言う通り、井端コーチの表情もほころんだ。ただ“師匠”は手放しでは褒めない。「うまくなったけれど、まだ簡単な打球に気が抜ける瞬間がある。それにエラーは1桁に減らさないとな」と指摘すると、自身の経験を基に、愛弟子の気を引き締めた。

 

 実はシーズン中から本人には「まず一度取れよ」とハッパをかけていたという。「最初に取るまでに時間がかかるのは悪いことじゃない。俺だって宮本さん(慎也氏)から奪うのに何年かかったか。でも、坂本はそろそろ取っていいころ。一度取ると渡したくなくなる。来年以降も続けて取りたくなる。周囲の目も変わるし、今以上に守備への意識が高まってくれればね」

 

 さらに、もう1人の“レジェンド”も本紙を通じてメッセージを発した。坂本以前に、巨人の遊撃手として最後に同賞を獲得した川相三軍監督だ。「非常に素晴らしい。選手としてひとつ成長したんじゃないか」と高く評価しながらも、井端コーチ同様にエラー数の多さには渋い顔。その上で“名手の心得”を伝授した。

 

「技術も大事だが、坂本が守っていれば、ショートに打たせたら何とかしてくれる、ある意味、エラーしたら『仕方ないな』と思われること。そうなるまでが大変。周りの見る目線も上がるし、ライバルも出てくる。チームから信頼されるように努力し続けていくしかない」と言葉を贈った。

 

 侍ジャパン合宿に参加中の坂本も、巨人の先輩たちからのエールに応えるように「安定感という部分ではもっと確率を良くできると思うので、そこを求めていきたい」と約束。打者としても成長著しい背番号6は、守備でも名手への階段を上っている。