今季FA権を取得したDeNAの山口俊投手(29)は4日も球団事務所に姿を見せなかった。

 山口は先月30日の全体ミーティングにも姿を見せず、FA宣言が濃厚とされる。球団関係者は「山口はチームが自分よりもロペスを優先したことに納得がいかない様子だった」とそもそもの発端を説明。ロペスはシーズン中の9月23日に2年推定4億6000万円プラス出来高払いで契約を延長した。今季34本塁打を放った長距離砲の流出を防ぐための早めの交渉となったが、山口は自身への下交渉もない状態でのロペスの契約成立に不信感が生じたという。

 今季11勝5敗、防御率2・86のチームの勝ち頭である山口に高田繁GM(71)はシーズン終了後、複数年契約のオファーを出したが合意には至っていない。高田GMは「マネーゲームはしない。(FA)宣言残留は認めるけどウチが出す条件を他球団の話を聞いた後に見直すことはない」と断言。フロントのそんなクールな姿勢も「自分はそこまで必要とされていないのでは」と山口の不信感に拍車をかける結果となった。

 山口に関してはすでに巨人が本格調査を開始し、他球団も興味を持っている。推定年俸8000万円のBランクと人的補償が発生するが、先発不足のセ球団にとってはDeNAの戦力も削れるだけに獲得は大きなメリットとなる。