オリックス “超破格”ファン戦略のスゴい中身

2016年11月06日 16時30分

強気戦略の理由を語る緒方ファンクラブグループ長

 オリックスが“超破格”のファンクラブ会員を誕生させた。「Bs CLUB」では2017年度の新規会員の募集を開始。最上グレードにあたる「エクストラプレミアムメンバー」のSコースには、なんと年会費18万円が設定された。もちろん球界ダントツのびっくりプライス。いったいどんな特別サービスがあるのか。最下位に終わったオリックスの“超強気”戦略の秘密に迫った。

 

「Bs CLUB」の会員数はチーム低迷にもかかわらず増加を続け、今年は5万2000人を突破。17年度の新規募集は10月24日にスタートし「エクストラプレミアムメンバー」(S、Aコース=200人限定)、「プレミアムメンバー」(A~Fコース)、「プラチナ会員」(A~Eコース)、「ゴールド会員」(A~Eコース)、「レギュラー会員」(A、Bコース)、「ジュニア会員」、「Bsポイント会員」(A~Dコース)の7種類が設定された。目を見張るのが「エクストラ――」の年会費で、Sコースが18万円、Aコースが15万円。今年の最高価格が15万円だったが、新たに最上級が登場した。いったいどんなサービスなのか。

 

 緒方貴弘ファンクラブグループ長は「金額に負けないサービスを付加しています。確かに高いんですけど、ヒアリングをし、値段に負けないくらいの内容です」と自信を見せる。

 

 プロモデルユニホームなどの入会特典、チケットレス入場サービス、顔写真入り会員証、前売り先行購入権、球団激励パーティーの参加権などの数々のサービスが揃うが、中でも好評なのが京セラドーム大阪外野2階のラウンジスペース「CLUB STADIUM」を自由に利用できることだ。

 

「試合開始の4時間前、選手がアップを始めるくらいの時間から、真下にいる選手の練習をドリンク飲み放題で見れるんです。ここが非常に受けている。高額会員の年会費収入の伸び率がここ2年くらいで300%くらいになっているんですけど、一つの要因としてはラウンジが大きいですね」。プレミアムなスペースで優越感に浸れる時間を過ごせるという。

 

 さらに“肝”になっているのがポイントシステムだ。全会員がチケットやグッズを購入、来場、飲食した場合、ポイントが加算される。たまったポイントでイベント参加の権利や選手のサイン入りアイテムと交換でき、グレードが上に行くほど加算率がアップし、お宝をゲットできるというわけだ。

 

 例えばレギュラー会員ならチケット購入代金の15%がポイントだが、エクストラのS会員なら20%。来場ポイントなら1回京セラに来るとレギュラー200ポイントに対し、700ポイントにも跳ね上がる。

 

「10万ポイントためる会員さんなら年間で約50万円くらいの消費をしてくれている。そういう方はイベントで選手が使用したユニホームに交換される方が多い。試合球とかレアなものが喜ばれます。あと人気の高いのが撮影会とかのイベントに参加するもの。たまった人から優先的にもらえるので、早い者勝ちになっていますね。グッズもイベントも充実したものを提供していきたい」

 

 他にも選手との食事会を企画中。ポイント制は他球団で行っているところもあるが、12球団の中で商品数は圧倒的に多い。

 

 とはいえ、誰しも気軽に高額会員になれるものではない。批判的な声はないのか。「意外と少ないんです。逆に、もっともっと高くして誰もついてこれないように、人数を少なくしてほしいとの意見もある。より優越な気分にということで。でも価格だけ上げるのではなく、そこにサービスがつかないといけません」

 

 高額会員になると約7割の会員が翌年も同じコースを継続させており、中には「ステップアップというより、3000円のレギュラー会員がいきなりジャンプアップするケースもある」。昨年も締め切り前には高額会員から定員を満たし、今年も11月14日の締め切りまでには埋まりそうだという。

 

 2013年まで3万人にも満たなかった会員数は、チームが2位になった14年が4万1000人。5位の昨年が5万1000人に増え、最下位の今年は5万2000人になった。成績と連動してファンクラブの会員数も推移していくと思われがちだが、オリックスの場合は関係ない。

 

「順位と会員数は、過去を見てもあまり影響はないんです。優勝したら特需はあるけど、ベースは変わらない。我々からしたらサービスをよくしたから増えたと考えています。応援してくれる仲間として楽しんでポイントを増やしてほしいという感覚ですね」

 

 オリックスでは14年からCRM(顧客管理データベースシステム)を導入し、会員が使用するカードで消費の動きを細かくチェック。ファン心理を分析することでニーズに反映し、効果的なサービスを提供できるようになったことも会員数アップにつながっている。

 

 今年は“特別会員”として動物を入会させる「Bsわんにゃんクラブ」をスタートさせて話題を振りまいたが、近い将来「赤ちゃんをターゲットにした“ベビー会員”も誕生するかもしれませんよ。いろんなニーズに対応していける設計をしていきたい」。今後も「攻め」の姿勢でファンを魅了していく。