清宮早実センバツ当確だが…出場枠めぐり“早慶戦”

2016年10月31日 16時30分

 来春センバツの重要な参考資料となる秋季東京都大会は30日、神宮第二球場で準決勝の早実―国士舘戦が行われ、怪物スラッガー・清宮幸太郎内野手(2年)を擁する早実が、9―0で7回コールド勝ち。センバツ当確まで「あと1勝」とした。とはいえ、次で負けてもセンバツに選考される可能性は極めて高く「清宮2度目の甲子園」はすでに決定ムード。事実上の「センバツ当確」といった状況に、周囲は様々な思惑もからみ、早くも大騒ぎとなっている。

 

 早実がセンバツに出場するには「秋季都大会決勝進出」が最低条件。それをクリアした今、早実関係者は「これで甲子園は当確でしょう。今のうちに甲子園近くの宿を確保しなくちゃ」と色めき立っている。

 

 まだ決勝に勝ってもいないのに、どういうことなのか。早実が仮に決勝で敗れた場合、関東大会でベスト4に残れなかった学校との比較となる。関東大会では慶応(神奈川1位)、横浜(神奈川2位)、山梨学院(山梨1位)、中央学院(千葉2位)の4校がベスト4に進出できずに準々決勝で敗れたが、高校野球マニアで「甲子園のラガーさん」でおなじみの善養寺隆一氏(50)によると、早実との比較対象となるのは「慶応しかありえない」と断言する。

 

「まず何といっても神奈川1位だからね。試合内容も群馬1位の前橋育英に3―4のサヨナラで惜敗したのが大きい。横浜も人気があるけど、神奈川2位で負けた相手は群馬2位の健大高崎。点差も2―5と開いてるから、選ばれる可能性はゼロに近いね。中央学院は千葉の2校目になるし、1―9の大差だから論外。かすかにあるとしたら山梨学院だけど、ここも2―5で負けてるし、上位4校のうち3校が北関東に集中してる(注)。地域性を考えれば神奈川の慶応が選ばれない理由はない」というのがラガーさんの見立てだ。

 

 ではその慶応と早実の比較はどうか。

 

「早実は二重丸ついちゃったね。二重丸どころか三重丸だよ。清宮がいなければ(選考で)もめるところだけど、注目度や反響、早稲田というバックボーンの大きさから考えると、選ばないわけにはいかない。逆に選ばれない可能性? 決勝でよほどひどい試合、たとえば15点差負けとかにならない限り、まず大丈夫。5点差くらいなら問題ないね」と、ラガーさんは断言した。

 

 とはいえ、選考で慶応を落とし、当たり前のように早実を選んだとしたらどうなるか。高野連にも各方面から不満や異論が寄せられることは必至で、大規模な“早慶戦争”にも発展しかねない。

 

 実際、この日の試合を視察に訪れた高野連・竹中事務局長を直撃したところ「早実に限らず、どこの選考でもそれは必ずある。でも早実は特に人気ですから。そう(早実が準優勝ということに)なったら選考委員はしんどいでしょうね。もちろん特定の学校に肩入れするわけではないけど、あくまで事実としてすんなり優勝してくれたほうが、選考委員としては助かるでしょう」と本音を漏らした。

 

 そんなややこしい事態を回避するためにも、早実は優勝するしかない? 決勝は11月3日、神宮球場で行われる。対戦相手は日大三だ。

 

(注)「関東・東京」のセンバツ出場枠は6で、東京都大会優勝校と関東大会ベスト4は当確。今秋の関東大会は作新学院(栃木=優勝)、東海大市原望洋(千葉=準優勝)、前橋育英(群馬)、高崎健康福祉大高崎(群馬)が4強。残り1枠は地域性、試合内容などを考慮して東京準優勝校と関東大会8強校の中から選ばれる。