【日本シリーズ】日本ハムのこの1勝で流れは変わったのか…伊勢孝夫氏の見解は

2016年10月26日 14時00分

8回、中田の打球を後逸した松山

 日本シリーズ第3戦(25日、札幌ドーム)は、日本ハムが広島に延長10回、4―3でサヨナラ勝ちして初白星。対戦成績を1勝2敗とした。本拠地での劇的勝利に日本ハムナインは喜びを爆発させたが、これでシリーズのムードは一変となるのか。本紙評論家・伊勢孝夫氏の見解は…。

 

【伊勢孝夫「新IDアナライザー」】日本ハムがなんとか3戦目で勝利した。最後は大谷がすごい打ち方をした。彼は本当に神がかっている。シリーズは1つ勝たなければ何も始まらない。日本ハムは次の戦いがやりやすくなっただろう。ただ、まだまだ広島と互角には戻らない。

 

 8回に日本ハムは逆転に成功した。二死一、二塁から中田が打った左前の打球を松山が後ろにそらして2人の走者が生還した。松山は長打警戒で後ろに守っていたとはいえ、うまい外野手なら簡単に捕っていた。なぜ広島は松山に守備固めを送らなかったのか。ベンチには守備のいい選手も残っていた。松山は普段、そんなに守っている選手ではない。あそこまで、その守備を信用してはいけない。次の回に打席が回ってくるとしても交代だった。日本ハムは広島ベンチに助けられたようなものだ。

 

 それまで日本ハムの打線はチャンスを何度も潰していたが、このシリーズは3試合を通して打線がもうひとつ。リズムが上がってこない。振り返るときっかけは初戦、1―3の7回無死一塁で栗山監督が大野に送りバントをさせず、代打・矢野を使い、併殺に倒れてチャンスを逃したシーンにあったのではないかと思う。もちろん、バントで送ったからといって点が入るとは限らないが、あそこはまだ7回。1点ずつ返していけばいいところ。いつもは堅くいく栗山監督にしては珍しかった。ベンチのムードも悪くなったはずだ。短期決戦は流れを引き戻すのが難しい。1つサヨナラで勝ったからといって、一気に日本ハムに流れがいくかどうか。

 

 第4戦の先発は日本ハム・高梨と広島・岡田。ともに、ある程度の失点は覚悟しなければならない。援護が必要な投手だ。ここでどちらの打線が活発になるかだが、広島の選手は、あと2つの試合を落としても本拠地に帰れる気楽さがある。そういう意味でも、まだまだ広島が優位といえる。

 

 日本ハムは第5戦に大谷を中4日で先発させてみてはどうだろう。仮に第4戦に負ければチームは崖っ縁。そうなったらあとのことは構っていられない。前回登板した屋外球場のマツダスタジアムではコンディションが悪かっただけに、やる価値はある。(本紙評論家)