【日本シリーズ】大暴れ3安打 神ってる大谷サヨナラ劇打の伏線

2016年10月26日 14時00分

大谷(左から2人目)のサヨナラ打で日本シリーズ初勝利を挙げ、大喜びの日本ハムナイン

 試合を決めたのはやはりこの男だった。日本ハムが大谷翔平投手(22)の劇的サヨナラ打で日本シリーズ初勝利を挙げた。3―3の延長10回二死二塁の場面で、広島5番手の大瀬良から右前へ。この日は3安打の大暴れで、広島に傾いていた流れを一気に引き寄せた。

 

 日本ハムの反撃のノロシとなる1勝はまさに「打者・大谷」のワンマンショーだった。

 

 栗山監督が「クロ(黒田)の力を借りて純粋に野球に入ることによって、選手の持っている良さが出てくると信じてる」と予言した通り、この日の大谷の3安打には技術とすごみが詰まっていた。

 

 まずは初回一死一塁から黒田の初球、142キロの外角ツーシームを左翼線二塁打。本紙評論家・大友進氏は「この二塁打が今日の全て。黒田のベストボールをファウルにすることなく左手の押し込みでフェアゾーンに入れた技術はもはや打撃を極めている。あそこが届いてしまったことでバッテリーは外角での勝負ができなくなった」と指摘した。

 

 4回の第2打席、広島バッテリーは一転して内角攻め。だが、大谷は胸元へ食い込む141キロのカットボールを腕を畳んで右中間最深部へ再び二塁打。大友氏は「外に沈むツーシームを二塁打にしたことで、バッテリーは内角を突くしかなくなったが、今度はそれをまた別の技術でさばいた上にパワーで右中間を破った。その伏線が延長10回の広島の守備陣形を狂わせた」と結論づけた。

 

 10回二死二塁から飛び出したサヨナラ打は、大瀬良の内角低めの見逃せばボールとなる直球を右前打してのもの。だが、この場面で広島は「一打サヨナラ」の場面にもかかわらず、外野手の定位置より前の打球がないと判断したのか、極端な前進守備を敷かなかった。大友氏が「あそこは外野の頭を越されたら仕方がない場面。内野手は一塁線、三塁線を締め、外野手は一、二塁間、三遊間を破られても二走を三塁で止めることのできる位置まで前進するシフトがセオリーなんですが…」と驚いたほどだ。

 

 大谷は最後の場面を「おそらく長打が出ないコースに投げるか、低めに来ると思った。長打は別にいらない場面。フォークが来ると思って待ってましたが、追い込まれていたので広く待っていた。(直球に)詰まっても落ちればいいかな」と自己解説。先制と逆転を演出し、最後は自分で決める。それどころか、一人でシリーズの流れさえも変えてしまった。