巨人の“二塁戦争”はどんな決着を迎えるのか。ドラフト1位指名された吉川尚輝内野手(21=中京学院大)が24日、岐阜・中津川市の同大・中津川キャンパスで球団の指名あいさつを受けた。

 山下スカウト部長、藤本スカウトと対面した吉川は、やや緊張しながらも「やっと実感が湧いてきた。息の長い、記憶にも残る選手になりたい。ここがスタート。開幕一軍を目指したい」と宣言。正式契約前ではあるものの、前向きな言葉で頼もしい決意を口にした。

 大学では主に遊撃手だった吉川だが、巨人の同ポジションには坂本という絶対的な存在がそびえ立つ。必然的に入団後は、二塁レギュラー候補としての英才教育が待っている。現場首脳は「結局、今年は誰も二塁に定着しなかったわけだからね。当然、期待は高い」と話す。では、既存の“二塁候補”たちはどうなってしまうのか。

 今季二塁の最多出場はクルーズの72試合。以下、寺内の33試合、片岡25試合と続く。ほかに今季の二塁手としては脇谷、中井、吉川(大幾)、立岡、山本、藤村、辻がおり、今秋二塁コンバートに挑戦中の重信を加えると、実に11人を数える。

 そんな状況で球団がドラ1枠を使って“12人目の二塁手獲得”に動いた事実は重い。とりわけ立場が厳しいのはベテラン勢だ。来季が契約最終年のクルーズは故障がちで計算が立たない上、首脳陣と衝突した一件以来、信頼が失墜している。来年36歳の脇谷、同34歳の片岡も崖っ縁。中堅・若手も含めてすでに「何人かは“放出候補”」(フロント)という。

 ドラ1ルーキー吉川の加入で、はじき出されるのは誰か…。巨人のユニホームをかけたシ烈な二塁戦争が幕を開けている。