【日本シリーズ】緒方監督の“神アピール”で広島連勝

2016年10月24日 16時30分

タッチをかいくぐる「神走塁」を見せた田中(左)

 日本シリーズ第2戦が23日、マツダスタジアムで行われ、広島が前夜に続き5―1で日本ハムを撃破。対戦成績を2勝0敗とした。目指す32年ぶりの日本一へ、もちろんムードは最高潮。チーム内では、この試合でもシーズン中同様に飛び出し、試合の流れを見事に変えた緒方孝市監督(47)の「神アピール」が話題となっている。

 

 試合の流れが変わったのは、明らかにあのプレーだった。1―1で迎えた広島6回の攻撃、無死二塁から打者の菊池が高めの球をバスターで左前へ運ぶと、二走・田中は一気に本塁へ。だが、好返球により「アウト」の判定。これを不服とした緒方監督は、上着を着たまま球審の元へ歩み寄ると、プレーの確認を要求した。審判団はリプレー検証の必要性があると判断。3分間の中断の末に判定が覆り、勝ち越し点が転がり込んだ。日本シリーズで、本塁でのリプレー検証によって決勝点が入ったのは史上初。これを契機に4点を奪っての勝利とあって、緒方監督も「(田中)広輔がよくかいくぐったように見えた。追いタッチのようになっていた。セーフになってよかった」とニンマリだ。

 

 緒方監督の「神アピール」は6月14日の西武戦(マツダ)でも史上初を呼び込んでいる。同点の9回裏、赤松の中前打でホームを狙った菊池がクロスプレーでアウトの判定。しかし、緒方監督が猛然とプレーの確認を要求すると、リプレー検証の結果、判定が覆って史上初のコリジョンルール適用のサヨナラ勝ちとなった。

 

 シーズン中の“奇跡”再現を思わせる、「神アピール」が日本シリーズでも出たとあれば、盛り上がらないはずがない。6月14日に判定が覆り、サヨナラ打となった当事者の赤松は、この日の試合後「長いシーズンから見ると、あの1勝は大きかったかもしれない」と指揮官の執念に、あらためて最敬礼。また、球団関係者は「言わないより言ったほうがいいし、監督が出て行ってくれることでナインの士気も上がる。要求するときの監督の押しの強さも、いいほうに影響しているところがあるのかも」と、その効果を語った。

 

 緒方監督は端正な顔立ちながら、抗議の時などに鬼気迫る表情を見せる。これも勝利への執念のなせる業なのだろう。

 

「2勝できたのは大きい。ただ相手のホームに乗り込んでいくわけだからね。一戦一戦、自分たちの野球をやるしかない」と敵地での3戦目に向けて意気込んだ緒方監督。32年ぶりの日本一のため、今後も「神アピール」を繰り出す場面は出るか。