日本ハムの栗山英樹監督(55)は広島で始まる日本シリーズ、そして今シリーズで現役引退するレジェンド・黒田に最大限の敬意を表した。21日の前日練習で指揮官は「プロ野球は時代を映す鏡だと思っている。今年はやっぱりカープからやるべきだと思う。それをなんとか打ち破れるように精一杯やっていきます」と25年ぶりVに沸く真っ赤な敵地で始まるシリーズの意義を語った。

 もちろんそこには「最後まで厳しいゲームをすることが選手が一番うまくなること。1分でも1秒でも長く野球をやっていたい」という育成球団としての狙いもある。そして、レギュラーに12球団最多7人の20代選手が座る日本ハムにとって特別な価値を持つのが第3戦の札幌ドームで先発登板する黒田とのマッチアップだ。

 栗山監督は「ああいうマインドを持った、みんなが目指さなきゃいけない選手。ウチの若い選手がそういう選手に向かっていけるというのは必ず宝物になる。正直、間に合ったなという印象。精一杯ぶつかっていく」と最大限の敬意を示した上での突破に言及した。

 22日の初戦に先発する大谷翔平投手(22)も「直接対戦したことはありませんが、画面越しにいろいろ勉強させていただいている素晴らしいピッチャー。最後の最後で間近で見れるのはためになる」と同調。勝っても負けても収穫しかない日本ハムにとっては、男気右腕とのラスト対決を堪能して常勝時代へとつなげる最高の舞台装置となった。