阪神の金本知憲監督(48)が、甲子園での秋季練習第2クール2日目の14日、「(来季の)開幕(投手)はメッセ(ランディ・メッセンジャー投手=35)でしょう」と早くも明言した。

 今季、先発陣トップの12勝を挙げた助っ人右腕とはいえ、この時期の指名は異例。球団内でも驚きの声が上がったが、同時に「これは監督から藤浪へのメッセージが込められている」との見方がもっぱら。現状で開幕投手の資格者がメッセ1人だけという考えを公にすることで、金本監督には「藤浪の闘争心をかき立てる狙いがある」というのだ。

 藤浪に対しては当初、一人前扱いで口出しを慎んできた指揮官だが、シーズン終盤から方針転換。今季7勝と低調な成績に終わった若きエースへの教育的指導を実践している。前日13日には同期の大谷(日本ハム)と比較して「正直、負けている」と指摘し、尻を叩いたばかり。開幕メッセ発言はそれに続くものとみられているわけだ。

「監督の言葉を藤浪がどう感じるか。オフに鍛えて来春キャンプとオープン戦で結果を残して、監督を悩ませないといけない。藤浪は監督を見返さないといけないんだよ」(チーム関係者)。エースの自尊心をくすぐる金本流の荒療治は期待の裏返し。連日、チクリとやられた藤浪だが、すべてを受け止め、巻き返すしかない。