パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第2戦が13日、札幌ドームで行われ、日本ハムが逆転負け。絶対的優位に立っていたはずのチームに「守護神炎上」という最大級の不安が発生した。

 4―3の9回、左足首捻挫から復帰したばかりの守護神クリス・マーティン(30)が2安打、2四死球に重盗を含む4盗塁を絡められ、3失点の逆転負け。

 マーティンは6月後半から増井に代わり守護神を任され、2勝21セーブと公式戦中はこの手の失敗はなかった。150キロ台中盤の直球とスライダーを武器に打者をねじ伏せてきたが、課題である走者を置いての投球で大きな不安を露呈した。

 マーティンは「走者を出して1か月半ぶりのセットポジション。走ってくるだろうなと思って動揺してしまった」と弱点を徹底的に突かれた上での背信投球を、淡々と振り返った。

 眠らせていた相手主砲・柳田に勝ち越し適時打を許したことも含め「短期決戦では1つのプレーが流れを変える」と用心に用心を重ねている栗山監督も苦渋の表情。指揮官は「(信頼は)全く変わらない。1年間やっていればこういうことはある。相手が相手だし、足を使ってくることは分かっている中で自分の気持ちの折り合いをつけていかないといけない」とかばったが、復調を待つ時間のない短期決戦でマーティンの抑え起用はスパッとあきらめるのが賢明だろう。

 しかし、吉井投手コーチも「ああいうシチュエーションで久しぶりだったし体と心のコントロールがうまくいかなかった。(信頼は)変わらない。チームがここにいるのもマーティンのおかげだと思っているので次にどう生かすのかが大事」と指揮官に同調。実際に同じ状況で本当にマーティンと心中できるのかも含め、先行逃げ切りで大逆転Vを成し遂げた日本ハムが大きな岐路に立たされている。