セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第2戦(13日=マツダ)は、前夜に続いて広島が3―0でDeNAに快勝。一気の連勝で日本シリーズ進出に王手をかけた。

 試合後の緒方監督は「攻撃陣では1~3番。特に最後の(田中の)本塁打は大きかった」と“タナ・キク・マル”トリオを絶賛。一方で「(野村)祐輔とリリーフ陣がゼロで抑えてくれた。これ以上ない内容」と守りの勝利を強調した。

 シーズン16勝を挙げた最多勝男の先発・野村祐輔(27)は、6回3安打無失点の好投をみせた。6日の練習試合では、先頭打者の打球が右首に直撃。わずか8球で降板し“ぶっつけ本番”さながらのCSだったが、それも意に介さなかった。

 これも野村の卓越した「忘れる力」が好影響をもたらしている。

 寡黙でストイックなイメージだが、本人は「球場を出ればすぐにリフレッシュする。球場ではアドレナリンも出るし、野球のことばかり考えてますけど、いざ(球場を)出るとゆ~っくりしてますからね。家でもテレビ見ながらずっとぼーっとしてます」と笑う。

 ちなみに今お気に入りの番組は内村光良司会の「痛快TVスカッとジャパン」。録画してまで毎回チェックしている。

「笑うのが好きなんで、バラエティーばっかり見てますね。ドラマはここ2年ぐらい見てないかな。好きな芸人さんもたくさんいます。例えば同郷(岡山)の千鳥さんとか」

 調整登板もままならず、故障明け…。それでも気持ちを切り替え“スカッと”した投球で、日本シリーズ王手を引き寄せた。

「不安を払拭したかったので、今日はなんとしても抑えたかった。『不安がある』と書かれてたもんで(笑い)」

 最多勝はやはりダテではなかった。16勝右腕がその力をいかんなく発揮し、もちろん日本シリーズでもチームをけん引するつもりだ。