エースと守護神にまさかの黄色信号だ。セ・リーグ王者・広島は6日、JR西日本と練習試合(マツダ)を行い、攻撃陣の猛攻で10―2と圧勝。しかし、問題は投手陣だった。

 13日のCSファイナル第2戦で先発予定の野村祐輔(27)が5回から登板も、先頭打者のライナー性の打球が右首付近を直撃。たった8球で降板となってしまった。予定の3イニングをこなせずマウンドを降りた最多勝右腕は「仕方ない」と言葉少な。「緊急性はない」(松原慶直トレーナー)としてこの日は病院には行かず、アイシングなどで治療を行った。

 畝龍実投手コーチ(52)は「明日(7日)の状態を見て」と話したが、調整が遅れる場合はCSの登板日を後ろにずらす可能性も否定しなかった。

 さらに不安なのが、シーズン終盤に右腰痛で離脱した中崎翔太(24)だ。9回に復帰登板も、アマチュアを相手に2安打2四球1失点。本人は「まだ日にちがあるのでしっかり調整していきたい」と前を向いたが、畝コーチは「スピード、体の切れがない。今日の状態では苦しいかもしれない」と表情を曇らせた。

 緒方孝市監督(47)は「野村どうこうではないが」と前置きしつつ「気持ちが入っていない。これが実戦を戦うということ。いい教訓になった」と“喝”。両右腕に万一のことがあれば、32年ぶりの日本一はおろかCS突破もままならない。