“大改革”の予兆か――。巨人は2日、昨季途中に日本ハムからトレード移籍した矢貫俊之投手(32)ら支配下4選手、育成12選手に対して、来季の契約を結ばないことを通告した。助っ人では、今季加入のガブリエルらを含む4選手が退団の見込み。球団フロントは来季からの巻き返しへ、戦力の刷新に本腰を入れる。

 前日1日に今季の全日程を終えた巨人が、来季に向けて動きだした。今年は三軍を新設した関係で大幅に選手が増え、戦力外通告は16人に上った。矢貫は昨年6月に日本ハムから2対2のトレードで巨人に移籍。今季は中継ぎとして一軍で8試合に登板して防御率2.61だったが、来季の構想から外れた。

 5年目右腕の土田は右ヒジの故障もあって戦力外になったが、球団は同じく構想外になった成瀬、田中大、坂口、高橋洸、青山の育成5人とともに育成契約を提示するとみられる。

 外国人勢にもメスが入る。開幕直後に支配下登録された外野手アブレイユ、今年6月に四国アイランドリーグplus・徳島から入団した左腕ガブリエルは、一軍でプレーすることなく退団の見込み。2014年から在籍した右腕メンドーサと育成左腕のペレスも戦力外になる方針で、この日、報道陣に対応した堤GMは「基本的には、来年は契約を結ばない方向」と明言した。

 助っ人勢も含めると、現状では少なくとも支配下7選手、合計20選手が戦力外になる見込み。ポストシーズン終了後にも第2次戦力外通告があるとみられ、大刷新は避けられそうにない。

 7月7日に東京ドームで行われた阪神戦を観戦した渡辺恒雄・読売新聞グループ本社代表取締役主筆は「由伸の責任じゃねえからな。フロントだよ。だって補強してねえじゃん。今の陣容で勝てったって無理だよ」と就任1年目の指揮官を擁護し、編成上の問題を厳しく指摘。チームは2位でシーズンを終えたが、投打にわたって新戦力が振るわなかった。

 まだ逆転日本一の可能性を残すとはいえ、V逸はフロントにとっても大きな屈辱。支配下、育成を含めて、来季に向けた“改革”がどこまで断行されるのか注目だ。