楽天のオコエ瑠偉外野手(19)が9月30日、本紙にプロ1年目を振り返り、ルーキーイヤーの葛藤を明かした。

 一軍では51試合に出場し、打率1割8分5厘、1本塁打、6打点。オコエは「まだまだ勉強するところはたくさんある。通用したとはまったく思ってない」と謙虚に話す一方「走塁の部分は一定の結果は出せたかな。守備もある程度はできたと思う。もちろん、それもまだまだですが」と手応えも語った。

 振り返れば1年前は、その明るいキャラクターから連日紙面をにぎわせた。そのひとつが昨年のドラフト直前の「即戦力宣言」。これが大々的に報じられ、すっかり“大風呂敷”のイメージがついてしまった。オコエは「僕『自分は即戦力』なんて言ってないんですよ。『将来性と言われていて、それは自分に足りない部分があるということ。それは悔しい。即戦力になれるようにがんばります』と言っただけで、『1年目から通用する』とか『俺は即戦力だ』なんていった覚えはない。それじゃビッグマウスになっちゃうじゃないですか。これだけ取り上げられると、正しく伝わらないこともある」と、大きな戸惑いがあったことを告白した。

 世間の注目には苦しめられることの方が多かった19歳だが、うれしい知らせもある。「甲子園はあまり見てないですけど、(松山聖陵の)アドゥワくんや(横浜の)万波くんは知ってる。僕から言うことではないですが、同じ野球選手として頑張ってほしい」と同じハーフの後輩の台頭には表情を緩める。

 今後は3日から宮崎で始まるフェニックス・リーグへの参加が濃厚。ルーキーイヤーの貴重な体験を糧に、来季は大ブレークしたい。