巨人は29日、東京ドームでのシーズン最終戦で広島に3―5で逆転負け。終盤にエルドレッドの2打席連続2ランなどで試合をひっくり返され、対カープの今季負け越し(12勝13敗)も決まった。

 本拠地最終戦を白星で飾れなかったが、試合後のグラウンドではセレモニーが行われ、由伸監督は「リーグ優勝を果たした広島ファンのみなさん、おめでとうございます」と、まずは潔く鯉党を祝福。V逸の悔しさを口にしながら「日本一を目指して精一杯戦います」と下克上を約束した。

 そのためにも、DeNAとのCSファーストステージ突破は最低条件だ。チームは前夜(28日)に2位を決め、この日は開幕からフル回転してきた坂本と長野をベンチスタート。ようやくレギュラー陣に休養を与え、CSの準備期間に入った。その一方で140試合目の2位確保は、将来の和製大砲候補として多大な期待を集める2年目の岡本和真内野手(20)にも余波が及んだ。

 ファーム首脳陣の間からは「岡本が成長する一番の近道は、一軍のエース級の投手から打って自信をつけてもらうこと」という再昇格プランが持ち上がり、一軍ベンチでも「また岡本を見たいね」と歓迎の声も上がっていた。しかし、チームがなかなか順位を確定できず、10月8日のCSファーストステージ初戦をにらんだ選手登録の関係から結局は見送られた。

 そうなると、今年はもう岡本が一軍で活躍する姿は見られないのか。今季は出場3試合にとどまり、6月上旬に抹消されて以降は二軍生活。だが、10月1日に宮崎で行われるファーム日本選手権に出場後、そのまま現地にとどまって一軍のCS直前合宿から合流することは可能だ。その点について斎藤二軍監督は「可能性としては十分あるでしょう」。二軍で18本塁打、74打点と大器の片鱗をのぞかせる岡本の“ぶっつけCS出場”もあり得るかも……。