目の前での胴上げは許さない。4位西武が27日の日本ハム戦(プリンスドーム)で意地の快勝だ。相手先発・吉川の立ち上がりを攻め、死球の秋山を一塁に置いて打撃好調の外崎が左翼席に先制2号2ラン。マジック1の相手の出はなをくじいた。

 エースの岸も本領を発揮した。カーブを軸に的を絞らせない。5回一死、岡の中前打を浴びるまで無安打投球を見せた。5回には女房役の炭谷が今季1号ソロを左翼席に放り込んで吉川をKO。岸は7回二死一塁から代打・大谷に左前二塁打を許して二死二、三塁のピンチを迎えたが、中島を見逃し三振に切って落とした。7回110球を投げて4安打7奪三振で無失点。8回を牧田、9回を増田が抑えて零封リレーが完成。岸が9勝目を手にした。

 今季は右足内転筋痛で4月下旬に離脱。復帰までに約2か月を要した。「チームに迷惑をかけていたので、最後くらいはしっかり投げたいと思った」。既に取得している国内FA権の行使について炭谷に「来年以降も(バッテリーを)組ませていただければ」といじられたが、岸は「終わってから考えます」と明言を避けた。しかし胴上げ阻止でエースの役目は果たした。

 試合後には3年連続Bクラスの結果を受けて、田辺監督が勇退会見を行った。「試合後、選手に『ありがとう』と伝えた。非常に厳しく苦しいシーズンになった。8、9月の戦い方がベストだったのかなと感じた。最後は強いライオンズを見せられた」。今日28日は西武にとっての今季最終戦。もちろん全力で日本ハムに立ち向かう。