DeNAが19日の広島戦(横浜)に3―1で勝利し、球団史上初のクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。昨年最下位から一気の躍進。その原動力は何だったのか。中畑清前監督就任1年目の2012年からチームを支えてきた二宮至二軍監督(62)が振り返った。

 2点リードの9回二死一塁で山崎康が代打松山を遊ゴロに仕留め初のCSが決まった瞬間、横浜スタジアムは歓喜に包まれた。05年に3位になったのを最後に10年連続Bクラス。底なし沼のような低迷からようやく脱出した。

 二宮二軍監督は今季について「ラミレス監督とは連絡を密に取っていた。今年は一軍の先発が安定していたので、下で調子のいい投手を推薦してもなかなか上がれなかった。シーズン終盤になって三嶋がやっと上がれたくらい。それだけ先発が充実していた」と語った。

 今季のDeNAを支えた最大の功績は、間違いなく先発陣の安定ぶり。開幕から56試合連続で先発が5回以上を投げた。井納、石田がすでに規定投球回(143イニング)をクリアし、山口も到達が濃厚。ルーキー・今永も6月から約1か月の再調整で復活を果たすなどうまく回った。先発が安定したことで、中継ぎ陣の役割分担も明確化。何とかシーズンを乗り切った。救援陣の登板数も山崎康、須田、田中、三上が50試合を超えた。

 投手陣のメドが立ったことで、野手陣も主砲・筒香を中心に腰を据えて打撃に集中できた。スタメンはほぼ固定され「野手も荒波が調子が良くても、なかなか声がかからなかった。捕手の黒羽根(出場試合数0)や外野の松本(同11)もあまり出番がなかった。ロマックも夏場から調子が上がったんだけど、もう上がれなかった」。

 今季は梶谷の出遅れがあったものの、主力の長期離脱もなく、二軍野手陣にとって狭き門となった。「去年、ファームで頑張った桑原と宮崎がスタメンに定着し、2桁本塁打を打てたのは大きい」と二宮二軍監督は目を細めた。

 指揮官が就任時に強調した「センターラインの強化」も捕手にルーキー・戸柱、遊撃に倉本、中堅に桑原を固定することで成功。不調やケガが少なく一軍メンバーを固定できたことも、今季のDeNAの強みだったようだ。