4年ぶりのBクラスが確定している阪神が19日の巨人戦(甲子園)で41と快勝。今季ここまで甲子園での伝統の一戦は0勝9敗1分けと球団ワースト記録を更新してきたが、ようやく初白星を挙げ、虎党を喜ばせた。

 汚名返上の原動力になったのは金本チルドレンだ。初回二死から新人・高山が苦手の高木から自身初のバックスクリーン弾となる7号ソロで先制。「いい感触で捉えられた。今年打ててない投手に、1球目からしっかりとスイングできる準備ができていたのが良かった」。この日は今季13回目の3安打猛打賞の活躍で、巨人・長嶋茂雄が持つ新人猛打賞記録まであと1に迫り、安打数も通算131安打とし、2001年の赤星を抜いて球団史上単独2位に浮上した。

 そんな高山に負けじと同じ新人・板山も2回一死一、二塁から中前適時打。さらに4年目・北條がトドメの2点適時二塁打と、この日の得点は「超変革」の旗印のもと、必死のレギュラー争いをする若手3人で挙げた。

 投げては先発の岩貞が8回5安打1失点で8勝目をマーク。「甲子園で巨人に勝っていないというのがあった。絶対勝つ!という思いで投げた」。4日のDeNA戦から自身3連勝で初の規定投球回数にも到達。藤浪、メッセンジャーと頼みの先発陣が次々とKOされる中、チームの9月4勝のうち、3つの白星を一人で稼いでいる。

 消化試合に突入した中で遅ればせながらの“本拠地初G倒”。金本監督は「何回も聞いているが、やっとですね。まあ、ちょっと長かった。(ファンは)スカッとしてくれたかな。とにかく明日もあるので、目先の試合を勝っていきたい」と久々の笑顔。甲子園での巨人戦は残り2試合。目標を失った今、何が何でも勝って終わりにしたい。