「第7回WBSC女子野球ワールドカップ」で5連覇を達成した侍ジャパン女子代表が12日に帰国し、成田空港で会見を行った。

 通称「マドンナジャパン」を率いた大倉孝一監督(53)は「終わった瞬間はホッとしたというか、うれしさも感じませんでしたが、少しずつうれしくなってきた感じですかね。そういうこと(大会5連覇)も耳に入ってくる。連勝記録なんてまったく関係ないが、プレッシャーを感じることもあった」と心境を明かした。

 主将を務めた志村亜貴子外野手(33=アサヒトラスト)も「5連覇がかかっているのは気にしないようにしたけど、したいという気持ちも強くてプレッシャーもあった」と絶対王者の重圧を明かしたが、フタを開けてみれば6完封を含む8戦全勝。もっとも競ったベネズエラ戦でも7―2の5点差で、総得点数81に対し失点は4と、日本の圧倒的な強さだけが目立った。

 強すぎるがゆえの悩みもある。「次の目標は?」と聞かれた志村は「女子野球の発展が私たちの使命。野球をやってる子たちがここを目指して続けてくれれば」。4番を務めた川端友紀内野手(27=埼玉アストライア)は「まだまだ成長できる部分はたくさんある。今後も成長していけるように頑張りたい」と答えたものの、世界を相手にして張り合いがないのも事実。2大会連続で最優秀選手に選ばれた里綾実投手(26=兵庫ディオーネ)は一瞬言葉に詰まったが、それも無理はない。

 そんな“目標喪失状態”のマドンナたちに「日本の女子野球もようやく環境が整ってきたけど、まだスタートラインに立っただけ。ただワールドカップでやるだけ、勝つだけじゃなく、日本がモデルケースになって全世界に広がるようなことをやってかなきゃいけない」とゲキを飛ばした大倉監督。世界をリードする立場として、日本女子野球は大きな使命を担うことになる。