広島ナインは試合のなかった9日、広島から東京に移動し、都内の宿舎で2位・巨人の戦況を見守ったが“他力V”はならず。10日からの巨人との直接対決(東京ドーム)で25年ぶりのリーグ制覇に臨む。本拠地Vの可能性は極めて低いが、地元のフィーバーぶりは日を重ねるごとに過熱の一途をたどっている。

 チームはこの日、東京に移動。10日に先発を控える黒田博樹投手(41)以外の選手と緒方孝市監督(47)ら首脳陣が、宿舎に設置された大型スクリーンで巨人戦を見守った。結果は巨人の勝利。最前列で見ていた指揮官が、終了の瞬間「明日や。明日。明日いくぞ」と鼓舞すると、選手らは「よっしゃー」と呼応。落胆の色ひとつなく直接対決に一丸となった。

 ここまで順調にマジックを減らしてきたが、8日の本拠地Vに続いて、この日の“他力V”も逸して初の足踏み状態。片や、地元では百貨店や飲食店の優勝記念セールに無料サービスなどが予告されている。“じらされた”ファンの熱気は増すばかりだ。

 ある試算では、優勝時の経済効果は330億円超とされており、ビジターでの優勝でも決定さえすれば広島の街中がお祭り騒ぎになるのは確実。

 広島県警はマジック2の8日から準備を開始。優勝時にはパトカーや交番の警官を増員する予定で「(広島で行われた)G7外相会合やオバマ大統領の来広とは違い、喜び事なので普通に楽しんでもらえるよう、安全と秩序を守りたい」(同県警)。

 また「たくさんの方が街に出て、お酒を飲むと思う。あまりに人があふれれば『ソフトな誘導』は、やらないといけない」と“広島版DJポリス”の投入もあり得るという。街が活気づくのはいいことだが、マナーは守ってもらいたいところだ。

 さらに、この“カープバブル”に乗り遅れてなるものかと虎視眈々?なのが、精力剤専門店の「あかひげ薬局」だ。

 同薬局の本社担当によると「今年、広島店は『試合を見て盛り上がってしまい、夜の方も盛り上がりたい…』というお客さんで、すでに大盛況です」とか。本社は愛知で、北海道や福岡にも店舗はあるが「これまで優勝セールは、やったことはない」という。それでも「同じ“赤(あか)”つながり。縁も感じます」と、異例の優勝セール開催に意欲満々だった。

 広島店前の「あかひげ先生人形」はカープユニホームを着込み、すでに優勝ムード。広島の“鯉党”も“性豪”も、一日も早い吉報を待っている。