去就が注目されている中日・岩瀬仁紀投手(41)が6日の広島戦で3点ビハインドの7回に登板した。8月6日のDeNA戦(横浜)以来、1か月ぶりの一軍マウンドは、先頭の田中に安打を許したものの、菊池、丸、新井の主軸を三者凡退に仕留めて1イニングを無失点。「だいたい思ったところに投げられたし、自分の感覚とタイミングが合っていたことはよかった」と胸をなで下ろした。

 直球は140キロを計測するなど、球に力強さも戻ってきた。岩瀬は「来季以降(現役続行)の判断をするのはまだ早い」と慎重に話したが、友利投手コーチは「久しぶりのマウンドにしてはベテランらしい投球でいいボールがいっていた。本人がボールが戻ったと言ってるから現役続行しても大丈夫でしょ」と合格点をつけた。

 そんな岩瀬の来季について、チーム内からはこんな要望が出ている。「岩瀬はあれだけ偉大な記録を残しているし、技術論も精神論も相当なものを持っている。その蓄積した経験を来季は選手兼任コーチとして、どんどん若手に伝えてほしい」とチーム関係者。ある若手投手は「岩瀬さんに兼任コーチになってもらって、いろいろ教えてもらいたいんです」とラブコールだ。

 ルーキーの小笠原が「岩瀬さんは見てないようで見てくれているんです。『力任せに横ぶりになっているからもっと右手を意識した方がいい』と言われました」とうれしそうに話すように、通算402セーブの日本記録を持つ偉大な左腕は若手にとって憧れの人。岩瀬兼任コーチ実現を求める声は今後、さらに高まりそうだ。