来季残留を希望する阪神の悩める主砲マウロ・ゴメス内野手(31)。契約最終年の今季は不振による6番降格や再三のスタメン落ちで成績は打率2割5分6厘、21本塁打、73打点(5日現在)。そんな助っ人の去就について球団は「まだ決まっていない。これからの判断になる」(四藤球団社長)というが、一方で残留のための「過酷ノルマ」も設定していることが判明した。

 ある球団幹部がこう断言する。「数字でいうと他球団で立場が似ている外国人選手が比較対象になる。西武・メヒアや日本ハム・レアードはゴメスと年齢や来日年数も近く格好の判断基準。彼らは30発は打っていて100打点も目前。ゴメスにもそれくらいを求めている。今の結果では物足りないということだ」。シーズン残り16試合で何と9本塁打、27打点というタフな数字が来季残留の合格ラインの一つになるというのだ。

「タイガースには自分にとっていい環境が整っている。まだここで学びたいことがある」というゴメスにとっては穏やかな話ではない。金本監督はゴメスの今後の起用法について「原口との兼ね合いもあるが、調子が万全ではない。状態が上がってくれば使うに決まっている」と言い、このまま打席数などチャンスが少ないならノルマをクリアするのは難しくなる。

 減俸をのむとか、新助っ人らの獲得状況で去就の行方も変わる余地もあるが、球団が厳しい目でゴメスを戦力チェックしていることは確か。目の覚めるような大活躍で残留切符を勝ち取れればいいが、果たして…。