広島・巨人アレルギー時代 1試合ソロ本塁打8本被弾の悲劇

2016年09月03日 16時30分

8発のソロを巨人に許し、マウンドで鬼の形相の大野コーチ

【元番記者が明かす鯉の裏話(2)】25年ぶりVへ独走を続ける広島だが、どうしようもない巨人アレルギーに悩まされた時代もあった。野村政権1年目の2010年は年間で6勝18敗と大きく負け越し。投手陣が阿部や坂本、ラミレスなどに打たれまくったのが要因だった。

 

 そんななか、目を疑うような“事件”が起きたのは同年6月29日、マツダスタジアムでの巨人戦だ。G打線の長打を警戒するあまり大胆な投球ができていない投手陣に対して、大野豊ヘッド兼投手コーチ(現評論家)は試合前のミーティングで「ソロならいい。それくらいの気持ちで攻めていかないといけない。四球で走者をためてしまうのが一番よくない」と訴えた。

 

 大量失点を防ぐために“ソロアーチはOK”という意図だったが、結果は大野コーチも想定外のものとなった。先発・スタルツはストライク先行の投球を心掛けたが、ラミレスの3発をはじめ脇谷、阿部に計5本のソロアーチを献上。さらに中継ぎ陣もエドガー、坂本、長野にソロを許すなど計8発のソロアーチを浴びてしまったのだ。

 

 確かに「ソロOK」とは言ったものの、8発も打たれてしまえば元も子もない。試合後に大野コーチは「ソロにしてもチーム全体で打たれ過ぎ。ベース上で勝負するだけでなく、体に近いところへボールを投げるなど工夫が必要だよ」とガックリ。投手陣は指示に忠実だったとはいえ、皮肉な結果となってしまった。

 

 そんな苦しい時代があっただけに、巨人打線を悠々と抑える現在の投手陣を見ていると余計に頼もしく感じる。

 (2010~15年担当・千葉記者)