巨人のベテラン左腕がまたも背信のKOだ。2日の中日戦(東京ドーム)は、先発の内海哲也投手(34)が6回途中8失点の大乱調で6敗目(7勝)。打線の猛反撃も一歩及ばず、試合は7―8で敗れた。

 この日の内海は初回に守備のミスも重なっていきなり2点を献上すると、立ち直る兆しを見せることなく、その後もチームの士気をそぐように失点を重ねた。3回には味方が勝ち越しに成功したが、直後の4回に平田に同点ソロを被弾。再び打線が5回に2点を奪って勝ち越したものの、6回は無死一塁で福田に同点2ランを浴びると、四球と安打でなおも無死一、三塁とピンチを広げ、最後は高橋に勝ち越し打を許したところで降板した。リリーフ陣も火消しに失敗し、内海の自責点は8。

「右打者の内角にしっかり投げ切れなかった。点を取ってもらった次のイニングに打たれる最悪の形で、野手の方々に申し訳ない」と頭を下げた左腕に、由伸監督の表情も険しかった。「ずっと最初から良くなる気配がなかった。先発なんですから、1イニングでも長く投げてもらわないと」と不満な表情を浮かべた。

 ただ、良化の兆しが見えないのならば、もっと早く降板させる手もあったはず。これについて、スタッフの一人は「『先発は最低でも6回以上投げて当然』との信念と、もう半分は立ち直りに期待した監督の“親心”でしょう」と語ると、指揮官の心中をこう代弁した。

「テツは今年が4年契約最終年。満足な成績を残せなければ、オフに厳しい評価が下されることは監督もわかっています。今日勝てていれば、なんとか10勝に届く可能性も見えていた。そのチャンスは与えるから、しっかり仕事をして結果を残してみろよ、との思いもあったのでしょう」

 そうはいっても、内海の背信投球は初回6失点KOの前回DeNA戦に続いて2試合連続。次回登板について「どうなんですかね、それは。まだ考えていないです」と言葉を濁したことからも、指揮官の我慢は限界に近付いていると見て取れる。「次は同じような失敗をしないようにやりたい」と声を絞り出した左腕だが、3度目の裏切りは、もう許されない。