西武はグループを挙げて来年2017年を「勝負の年」と位置付けている。

 ホールディングス体制10周年を迎えた今年7月には旧グランドプリンス赤坂に建設された「東京ガーデンテラス紀尾井町」がオープン。今後も池袋旧本社ビル建て替え計画、所沢駅東口駅ビル計画など中期計画のプロジェクトは目白押し。2020年の東京五輪へ向けインバウンド需要の取り込み、シニア、子供層のマーケット拡大に余念がない。

 一方、グループ部門の一つであるライオンズはオールスター級の戦力を豊富に抱えている割に5位、4位、5位(8月31日現在)と成果は上がっていない。リーグ優勝16度、日本一10度を誇る常勝・西武の歴史の中で8年連続V逸は屈辱そのもの。円熟期を迎えている主砲・中村剛也内野手(33)の4年契約最終年でもある来季17年のV奪回は至上命令となっている。

 ホールディングスサイドからは来季の補強費増額が約束されており、渡辺久信シニアディレクターがすでに渡米。メジャーのベンチ入り登録枠が40人に拡大する9月1日に合わせ、新外国人の最終チェックに動きだしている。その前に西武の問題点であり、最大の懸案である「勝てる指揮官の人選」に球団は慎重を期している。