【台湾・台中発】「第11回BFA U―18アジア選手権」が30日に開幕。日本は台湾・台中インターコンチネンタル球場で予選ラウンドの香港戦に臨み、19―0で7回コールド勝ち。ノーヒットリレー、17安打の完勝で開幕戦を飾った侍戦士だが、その裏では想定外の“珍事”に見舞われた。

 先発の寺島(履正社=3年)は5回を投げ、無安打無失点12奪三振の完璧な内容。序盤こそ国際試合特有のストライクゾーンに苦戦したが、許した走者は2回に四球で出した一人のみと「高校BIG3」の一角として圧巻の投球を披露した。「攻めた結果が今日の結果。(初戦なので)チームの勢いをつけようと、それだけを考えた。点数で言うと90点」と充実の表情を見せた。6回からマウンドに上がった島(東海大市原望洋=3年)も2回を無安打無失点5奪三振の好投で、香港打線に一本の安打も許さなかった。

 初戦を大勝で飾った日本だが、4回にはコールド判定をめぐり、なんと試合中に規定が変更されるという前代未聞の事態が発生していた。大会本部は当初、コールドゲーム成立の条件を「5回15点差、7回10点差」と定めていたが、12点差がついていた4回裏の開始時点で突如「5回20点差」にルールが変更された。その後も日本は一方的に得点を重ね、5回終了時点ですでに17―0となっていたが、5回コールド勝ちを逃した。

 今回こそ試合結果に影響がなく、日本としても2番手の島を試せたというプラス要素があったものの、大一番であれば大問題に発展していたかもしれない。テレビ解説の広沢克実氏(54)も「国際試合でこういったことはなかなかないんですが…」と驚きを隠せなかった。ある意味、BFA(アジア野球連盟)の信頼度にも疑問が残る試合となってしまった。