阪神の悩めるエース・藤浪晋太郎(22)が30日の中日戦(ナゴヤドーム)で大炎上し、10敗目を喫した。自身最短の1回で降板。満塁弾を含む8安打を浴び、1イニング自己ワーストの7失点。「何とかしないと、と思って余計なことを考えた。早くアウトが欲しいと焦った部分があった。野手、リリーフの方に迷惑をかけて申し訳なかった」とうなだれた。

 逆転クライマックスシリーズ進出を目指すチームに大きく水を差したとあって、ベンチでは福留から「投げること以外にもやるべきことをやれ」と叱咤される場面も。

 金本監督は「思う通りに投げられていない。その原因を本人がどう考えているのか。何とかしようというのは伝わっているが、それだけじゃダメな立場。チームとしても教育していかないといけない」と苦言を呈した。

 この日、球場を訪れた大物OBの江夏豊氏(68)も足を引っ張り続けるエースを「(不振は)肩が痛い、ヒジが痛いという体の故障ではない。ハート(の問題)だろう。エースというのは誰でもできるものではない。今日で6勝10敗? それがそのままチームの成績につながっている。本当のエースは苦しいときほど抑えるものだ」と一刀両断。「本人が望むならば調整のためファームに行かせるというのも一つの方法。逆に中4、5日でどんどん投げていくこともいいのかもしれない」とも力説した。

 さらに江夏氏は「初回のところで(ベンチから)誰も行かないというのは寂しい。(今季は7月8日の広島戦で)161球を投げたこともあったが、あれは何が目的だったのか、ベンチの意向と藤浪本人の考えが見えてこない。監督と藤浪が直接話すのもいいし、担当コーチが相談に乗ってあげないといけない」と提言。この重い言葉を首脳陣や藤浪はどう聞くか。