崖っ縁の由伸巨人が“コイにエサまき”作戦

2016年08月23日 16時30分

広島との3連戦を由伸監督はどう戦う?

 巨人がいよいよ、今季最大の山場を迎えた。チームは23日から東京ドームで首位・広島との3連戦。初戦に敗れるか引き分けで自力Vが消滅し、相手に優勝マジックが点灯する。逆転Vを諦めないナインは3連勝を期して臨むが、一方では8ゲーム差という現実を前に、秋への準備も同時に着手。最終決戦をにらみ“コイにエサまき作戦”をスタートする。

 

 崖っ縁の戦いが始まる。広島との3連戦を前にした22日、台風9号の直撃に見舞われた荒天のジャイアンツ球場では、本拠地決戦に出撃する3本柱が室内練習場にこもって調整に励んだ。

 

 初戦は外国人最多タイ14連勝中のマイコラス。「(記録更新は)特に気にしていない。自分のベストを尽くすだけ」と頼もしい。2戦目予定のエース・菅野も「0点に抑えるという投手の役割は変わらない」と静かに闘志を燃やす。中5日で投入予定の田口は「大一番と言われているところでもあるし、負けられないところで、気合がどんどん入っていく」と意気込んだ。

 

 普段はもの静かな尾花投手コーチも「やるしかない。勝ち続けるしかない。投手陣全員、総動員! 一戦必勝でいく」と熱っぽい。Vへの絶対条件となる3連勝へ、チーム全体が燃えている。

 

 ただ、現実問題として8ゲーム差は小さくない。今回の3連戦で1試合でも落とせば、ほぼ終戦という状況には違いなく、夢を追ってばかりもいられない。そのあたりは常勝球団らしく、したたかに先も見据え始めている。

 

「勝利が最優先なのは間違いないが、もう時期的にそれだけではダメ。最終順位はともかく、ここからはCS(クライマックスシリーズ)をにらんだ戦い方も重要」と話すスタッフは、広島との心理戦スタートを宣言。「まずは3投手それぞれが、いかに広島打者に苦手意識を植え付けられるか。大量リードを奪ったり、逆に大敗濃厚な展開では、バッテリーが相手のデータを収集し、いかに“エサをまくか”もポイントになる」と指摘した。

 

 広島との「3連戦」は、今季これが最後。9月にまだ4試合を残すが、そのころには決着がついている可能性も高い。“消化試合”ではできないこともある。ペナントレースのその先へ、巨人は、夢と現実を両にらみで進む。