高校球児の熱闘に助っ人右腕が発奮した。広島は14日のDeNA戦(横浜)で今季初先発のブレンディン・ヘーゲンズ投手(27)が好投。この日、一軍登録されたブラッド・エルドレッド外野手(36)にも一発が飛び出し3―2で勝利。両外国人の活躍でカード勝ち越しを決めた。

 ヘーゲンズはこれまで7日の巨人戦(マツダ)で3イニング投げたのが最長だったが、この日は5回を投げ1失点にまとめた。岡田らの離脱による突然の配置転換。いつもは勝利の方程式として活躍する助っ人右腕は「ゲームが作れてよかった。気持ちは中継ぎと同じだと思ったが、いつもより少しアドレナリンが出たね」と充実の表情だ。

 漢字や日本語の勉強を行うなど日本文化を積極的に吸収している。時間があるときは“日本独特の文化”として高校野球もテレビで観戦しているという。

「若い子たちが勝ちにこだわり一生懸命やっている姿には感銘を受ける」というヘーゲンズは「そのなかでも彼らは楽しんでやっている。僕は野球を仕事にしてしまったので、そういう気持ちがなかなか持ちづらくなった。ああいう姿を見るとあのころの気持ちを思い出させてくれるよ」と甲子園の熱闘から大きな刺激を受け、好投につなげた。

 一方、17号ソロで自ら一軍復帰の“祝砲”を放ったエル砲は「競った展開のなかヘーゲンズは少しでも長い回を投げようと努力していた。彼は素晴らしい投球をしたよ」とチームメートをねぎらった。

 首脳陣は今後もヘーゲンズの先発起用の可能性を示唆。ハズレ助っ人が「0」の広島が終盤戦も勢いを加速させそうだ。