阪神に敗れた最下位中日は借金が今季ワーストの17まで膨れ上がった。成績不振のため谷繁監督が事実上解任され、9日から森ヘッドコーチが監督代行として指揮を執るが、1勝3敗と苦戦を強いられている。

 ところが、チーム内では「“あの時”よりもまだ試合数(12日現在で残り35)は多いし、心配することない。ここからきっとAクラスまで急浮上すると信じている」との見方が出ている。“あの時”とは2003年の9月9日、3年契約の2年目だった山田久志監督が成績不振で解任され、佐々木恭介ヘッド兼打撃コーチが監督代行を任された。すると残り20試合を14勝5敗1分けのハイペースで勝ちまくり、最終的に5位から2位まで躍進したことだ。

 当時を知る森野は「こうなったのも自分たちに課せられた宿命。山田さんの時もそこから巻き返して2位になった例もあるからね。まだ終わってない。試合がある以上は最後までベストを尽くすのが選手」と発奮している。チーム関係者も「あの時もそうだったけど、監督が解任されてからの選手たちの目の色が全然違う。監督でさえ結果を出さなければ、ああやってシーズン途中にクビになってしまうんだから、自分たちもこのままではヤバイぞって、切羽詰まった空気になっている。ここから選手たちは意地でも結果を残そうとやってくれるはず」と力説した。

 森監督代行は「今日はサインも何も出していない。俺の頭を動かさせてくれ」とボヤキ節が止まらなかったが、ラストスパートをかけることができるか。