7月に育成選手から支配下選手登録された中日・近藤弘基外野手(23)が2日の巨人戦で3安打2打点の活躍を見せた。この日、初の一軍昇格を果たし「2番左翼」で先発出場。3回に中前へ初安打、5回二死一、三塁では左前へしぶとく落とす2点二塁打で初打点を記録し、7回にも右前打を放った。

 父の近藤真市投手コーチ(47)は高卒1年目の1987年8月9日の巨人戦(ナゴヤ球場)で初登板ノーヒットノーランの大偉業を達成。近藤はその試合映像を小学校のころから「くじけそうなときには見てモチベーションにしてきた」という。くしくも父と同じG戦デビューとなったことで「今日もドームへ来る前にタクシーの中でその動画を見てきた。同じ8月だし、巨人戦だしなと」と気合を高めたそうだ。

 目標は通算12勝、実働6年で引退した父超え。「父親はデビューが衝撃的だったけど、けがをして野球がやれなくなっているので、自分はけがをせずに父親よりも長く野球人生をやりたい」ときっぱり。チーム関係者はそんな近藤を「ミスをしても向かってくる気持ちがある。他の若い選手と比べても、ゆとり世代なのにゆとりではない根性を持っている」とべた褒めだ。

 試合には敗れた中日だが、谷繁監督も「近藤は今一番、ウチに必要なプレーをしてくれた。一振りや守備でもすべての面において一球に対して必死にやってくれた。その姿を見て他の選手がどう感じるか」とまで。「年も若いんでどんどんハツラツとしたプレーで、野球を楽しんでいる姿を見せたい」と意気込む近藤は、借金13で5位低迷の竜にとって希望の光になれるか。