第98回全国高校野球選手権・大分大会の決勝が25日に行われ、大分が佐伯鶴城を8—2(延長10回)で破り甲子園切符をつかんだ。

 2年ぶり2度目の夢舞台を決めた4番・山下の一振りは食べて寝る「五郎丸流トレーニング」の成果だった。

 2—2の延長10回、チームが連打でつくった一死一、二塁のチャンスに主砲のバットが火を吹いた。山下がチェンジアップを完璧に捉え、打球は右中間席に一直線。試合を決める3ランとなった。

 これを口火に3点を追加。粘りが持ち味の佐伯鶴城を突き放した。高校通算22本目となった殊勲の一打に山下は「あんまり覚えてないです…。まさか(スタンドに)行くとは思わなかった」と照れくさそうに振り返った。

 そんな主砲の育成にはラグビー日本代表・五郎丸が大きな影響を与えた。松尾監督は「昨年の12月から食トレを始めたんです。五郎丸さんもやったラグビーの日本代表を参考にしました。重要なのが食後の昼寝ということで、練習時間に寝る時間を設けました」と明かした。

 冬の練習では昼食に白米を1人、4合食べることをノルマとし、その後に15〜30分寝た。結果、体はみるみる大きくなり、飛距離も伸びたという。ある選手は「最後に、もう一伸びするようになった。練習試合でも本塁打の数が増えてスタメンは全員スタンドまで運べるようになりました」と効果を語った。

 山下は「甲子園でも本塁打を打ちたい。飛ばす自信はあります」と甲子園でのアーチを目標に掲げた。五郎丸流で手にしたパワーを武器に全国制覇を狙う。