首位独走中の広島が22日の阪神戦(マツダ)を4―2で快勝し、貯金を21とした。最短で26日にもマジック「38」が点灯する。先発・野村祐輔(27)がハーラー単独トップの12勝目を挙げれば、攻撃では、右腕と“同級生”の安部友裕内野手(27)が適時打を含む猛打賞と大暴れ。この勢いはいったいいつまで続くのか。
野村は6回88球を投げ1失点。球宴前から腰の張りを感じていたといい、大事を取っての降板となったが「打者が点を取ってくれたので勇気を持って投球できた。最少失点でしのげたので最低限の仕事はできたと思う」と安堵の表情。
自己最多タイの12勝には「意識はしていない。それよりチームが勝ったことがよかった」と汗をぬぐった。
攻撃では8試合ぶりのスタメンとなった安部が適時打を含む3安打。5月8日のDeNA戦(マツダ)以来の猛打賞を記録し「やっと結果が出た感じ。いつどんな状況で使われても、ヒーローになるつもりで気持ちを切らさずやってます」と満足げだ。
打席に向かう際の登場曲はボン・ジョヴィの「イッツ・マイ・ライフ」。これは母校・福岡工大城東高の11学年上の先輩、なかやまきんに君(37)がネタ中に使うテーマ曲から拝借した。
本家に負けない筋肉を誇る安部だが「意識はないです。たまたま先輩だったという縁だけですよ」と苦笑いするばかり。
ただ先発右腕との縁には意識するものがあった。偶然にも野村とは「1989年6月24日」で生年月日がまったく同じで“運命”を感じているという。
「同じチームにこんな選手がいるなんてなかなかない。同じ年が活躍すれば自分にも励みになるし、祐輔が投げる試合で打ちたい。そこは意識してます」(安部)
緒方監督は「野村は体調に不安のあるなか、よく投げてくれた。安部もいつも先発というわけではないがしっかり打って結果を出してくれた」と虎退治に貢献した2人の“27歳”を絶賛。若いチームがさらに勢いづきそうな快勝劇だった。