第40回日米大学野球選手権3回戦が15日、神宮球場で行われ、日本は0―1で敗れた。先発の東大左腕・

宮台康平投手(3年)は2回2/3を投げ3安打1失点で無念の降板。それでも自己最速を2キロ更新する150キロを計測し、5奪三振を記録した。

 雨上がりの神宮がどよめいた。立ち上がりの初球、いきなり148キロを計測すると、3球目には自己最速を1キロ上回る149キロ。その後はボール先行で制球に苦しみ、2死一、三塁とピンチを迎える。マウンドで一度円陣を組むと、さらにギアを一段階上げ、迎えた5番ハリソンへの初球は150キロのストレート。最後は146キロの直球で空振り三振に仕留めた。好調な立ち上がりに見えたものの3回、米国打線につかまり1失点。なおも二死三塁の場面で無念の降板となった。

 日の丸デビュー戦は残念な結果となったが、宮台はいかにも東大生らしい意識の高さでチームメートを脱帽させていた。大会期間中もポケット六法を持ち込み、宿舎の部屋にこもってみっちり2時間「民法第二部」の勉強に励んでいるという。

 同室の山崎(国学院大=3年)が「邪魔しちゃ悪いので僕は別の部屋に行くんですが、勉強が終わるとアメリカ戦のビデオを見て熱心に研究している。『(英語は)聞き取れるけど、話すのは苦手』って言ってますが、向こうの選手にも話しかけてます」と感心するほど、対戦相手の情報収集にも余念がない。

 試合後は「先発の仕事ができなかった。悔しさがあります。収穫はまっすぐで空振りが取れたこと。課題は盗塁を3つ決められたこと。日の丸は非常に重いです」と声を詰まらせた宮台。この悔しさを糧に、もう一回り成長できるか。