名門・PL学園が15日、第98回全国高校野球選手権大阪大会の初戦の2回戦で東大阪大柏原に大熱戦の末、6―7で敗れた。2015年度から新入部員募集を停止しており、3年生だけで臨んだ夏が終了したことで今後は休部状態となる。春夏7度甲子園を制した栄光の歴史に一区切りをつけた形だが、OBたちは早期の復活をあきらめていない。その秘策とは…。

 PL学園の“最後の夏”が終わった。東大阪大柏原に6―7で惜しくも敗れた。3点を追う6回、一死一、二塁から水上の2点二塁打で1点差とすると7回には3番・藤村の2ランでひっくり返し“逆転のPL”らしさを発揮。スタンドは総立ちとなったが、その裏に追いつかれ、8回に勝ち越されて涙をのんだ。

 前日14日の守備練習で試合出場可能な選手11人のうち、右翼手と二塁手が衝突したため、9人での戦いとなる不運はあったが、梅田主将は「切り替えて最善を尽くそうと思った。これだけのOBやファンの方々が足を運んでくれて大きな声援を送ってくださった。一生の財産です」と前を向いた。

 スタンドには木戸克彦氏(55)、吉村禎章氏(53)、宮本慎也氏(45)ら多くのOBが集結して声援を送ったが、やはり出てくるのは「また再開してほしいという気持ちがある」(木戸氏)、「これで終わりとは思いたくないし、またPLの野球部が戻ることを祈っている」(宮本氏)と、野球部復活を望む声ばかり。さらに、あるOBはこう話した。「OBたちそれぞれが教団の幹部に直接、交渉する。それをやっていけばいいのではないかと思う。プロで活躍して影響力があるOBもたくさんいる。そういう人たちがひとりずつ、訴えていけば…」

 これまでもOB会は野球部存続を求め、学校側に嘆願書を送ったりしてきたが、効果なく、とうとうここまで来た。そこで今後は桑田真澄氏(48)や立浪和義氏(46)、楽天・松井稼頭央外野手(40)やドジャース・前田健太投手(28)など、そうそうたるOBたちの教団幹部、とりわけ「野球部嫌い」と言われる女性幹部への個別直談判によって、状況を打開しようと考えているのだ。

 PL学園が再び高校野球に、その名を刻む日はくるのか。OBたちは諦めていない。