西武・橋上秀樹作戦コーチ(50)の孤立が深刻化している。

 前半戦は借金「14」で折り返し。両リーグワーストの75失策はともかく、とりわけ深刻なのは今季の“隠れた補強”となるハズだった橋上コーチの機能不全だ。野村克也氏の薫陶を受けた「ID野球の伝道師」として招聘された同コーチは選手へのきめ細かな個別ミーティングを売りに、大味な西武野球の改革者となるはずだった。

 しかし、開幕当初は機能していた打線も今はその日暮らしの自転車操業。7月に入って不動だった「1番・秋山」を動かしたことで「4番・中村」以外は原形をとどめない猫の目打線となり、役割が固定せずつながりを失った。

 チーム内には橋上コーチに対する不信感も噴出しており「個別なアドバイスはあるが、作戦がチーム全体で共有できていない。試合中に選手個々が橋上コーチに確認に行くようなおかしな状況が続いている」という現場の混乱が続いている。

 もちろん、同コーチに作戦の全権が与えられているわけではなく、ミーティングを仕切るスコアラー陣、打撃コーチと役割もかぶっているのだが、首脳陣間のコミュニケーションを正常化できなければ現場の亀裂は深まる一方だ。

 鈴木球団本部長は今のところ「テコ入れはない」としているが、球宴期間中に何らかの動きがあるかもしれない。