パ・リーグ首位戦線に異状あり――。ソフトバンクが5日のオリックス戦(京セラドーム)を0―3で落とし、南海時代の1957年以来、実に59年ぶりとなる3戦連続の零封負け。今季初の4連敗を喫した。

 6月末には仮想敵だったロッテに2勝1敗で勝ち越して自力Vの可能性を消した。しかし、史上最速マジックをかけて臨んだ1日からの日本ハム3連戦で今季初の3タテを食らい、気がつけば日本ハムとは5・5ゲーム差、ロッテにも6差と迫られた。

 まだまだ数字上は安全圏ながら、楽観できない状況となり、にわかに慌ただしくなってきた。この日は不動としていた部分を含めた打順の組み替えを敢行。欠場した試合を除き、昨季から3番に定着させていた柳田を5番へ。3番には中村晃を起用した。

 柳田の5番起用は打率2割5分1厘と低迷する6番・松田を復調させることが狙いで「(出塁率が高く足の使える)柳田が塁に出れば(松田への配球が)外の直球が主体になってくる。より外角の甘いボールをイメージしやすくなる」(藤井打撃コーチ)との思惑があった。しかし、そんな試みもはまらない。今季8勝1敗だった最下位相手に痛い敗戦で、首脳陣が敵地・京セラドーム内でのミーティングを終えたのは、試合終了後30分以上たってのこと。予想外に長引いたのか、選手はバスに乗ったまま待機状態となった。

 引き分け1試合を含む3戦連続無得点は2年連続日本一を達成した昨季も4月に経験している。それだけに、工藤監督は「こういうときだからこそ投手が頑張ることも必要。(打順は)うまく回ることもあれば回らないこともある」と淡々と話したが…。独走ムードから一転、ソフトバンクがV3への正念場を迎えた。