キューバ代表として五輪で活躍し、中日にも在籍していたオマール・リナレス氏(48)が5日、中日の巡回コーチに就任した。今季終了までの契約でビシエド、ナニータ、エルナンデスの打撃を指導する予定。「また日本でやりたいとずっと思っていた。このタイミングで中日に戻って来られて球団、首脳陣には感謝したい。とにかくチームの役に立てるようにしたい」と話した。

 谷繁監督は「(ビシエドらと)同じスペイン語でコミュニケーションが取れるということが一番」とリナレス・コーチに外国人野手のメンタルアドバイザーとしても期待しているが、チーム内からは、それだけではなく「日本人選手にもどんどんアドバイスを送ってほしい」との声が出ている。リナレス・コーチは背番号がないコーチで試合中はベンチに入れない立場だが、チーム関係者は「できたら球団にベンチ入りできるようにしてもらって、試合中も選手が逐一アドバイスをもらえるようになれば最高」とまで言うほどだ。

 中日は5日の広島戦に敗戦。打線が4安打に封じられての負けで4位に転落したが、試合前にリナレス・コーチの指導を受けたビシエドは2安打を放ち「細かい自分の気づかないことを指摘してもらえて良かったと思う」とにっこり。チーム関係者らはそんな“リナレス効果”を日本人野手にもお願いしたい、というわけ。リナレス・コーチは過去にパナマやニカラグアのプロ球団の打撃コーチを務め、優勝や準優勝に導いており、中日サイドは、なおさら盛り上がっているのだ。

「ニカラグアではラテンアメリカの大会にも出場してそこでも優勝したよ」とリナレス・コーチはニヤリ。“キューバの英雄”によって竜打線全体が強力になるかもしれない。