中日は敵地・東京ドームで今季初黒星。同点の7回に登板した2番手の又吉克樹(25)が二死満塁のピンチを招き、村田に押し出し四球を与え、勝ち越された。1イニングを投げ、打者7人に2安打2四球の自滅で5敗目だ。

 谷繁監督は「こっちが(マウンドに)行かせているわけだから、アイツに責任があるわけじゃない。投げている球自体は悪くない」とかばい、友利投手コーチも「ブルペンでは全然問題なかったんだけど、今日は悪いときの又吉だった。ブルペンや抑えている時のボールはすごくいい」とフォローしたが、中継ぎ右腕の不調はチームにとって気になるところだろう。

 そんな中、球団内ではこの又吉について、こんな声が飛び交った。「吹っ切れたんじゃないか。負けて自分の中でモヤモヤをため込むより、メディアを含め人にバーッとすべて話せばスッキリする。アイツは階段をもう1段上がったということ」(チーム関係者)

 試合後の又吉は「2アウトまでいって粘れなかった。自分優位の形にしなきゃいけなかったのにチームに対して申し訳ないです。流れを自分が崩してしまった。同じことを繰り返してしまっている」とコメント。神妙な表情で反省の弁を口にしたが、これをチーム関係者は「評価したい」という。

 これまでの又吉はリリーフ失敗の試合後にぶっきらぼうな態度を見せていた。無言を貫くこともあり、チーム関係者は再三「どんな状況であっても言葉に出さないとダメ」と苦言を呈していたものだ。それがこの日、ついに変わった。チーム関係者は、これを精神的成長とみて「ステップアップにつながるのではないか」と期待しているわけだが、果たして…。その答えは次のマウンドで出る。