宇野勝氏「中日は選手が相手ではなくベンチを見て野球をしている」

2016年06月24日 10時00分

リーグ戦再開後、谷繁監督はどんな采配をみせるか

【宇野勝 フルスイングの掟】中日は交流戦で7勝11敗と借金を作ってしまったが、パ・リーグの強力打線相手に投手陣はチーム防御率2・31で12球団1位。これは明るい材料だ。先発は大野、吉見、若松にジョーダン、バルデスと揃ってきたし、抑えも田島が自信を持ってきた。中継ぎもそれなりにしっかりしている。これだけの投手スタッフがいるチームは他にない。

 

 逆に打線は交流戦のチーム打率1割9分5厘と12球団最下位。パ・リーグは強い球、速い球を投げる投手が多い。中日の打者はストライクとボールを見極める能力は高いが、強い球、速い球をはじき返すのがうまくなく対応できなかった。

 

 でも、打線は水もので良かったり悪かったりが続く。たまたま悪い時期がここに来たと思えばいい。リーグ戦に戻れば変わるだろう。序盤はビシエドとナニータが打線を引っ張ってきた。これからは序盤に故障がちだった平田、さらに大島が引っ張っていけば得点能力は低くない。

 

 交流戦を終えてリーグ3位ながら、首位の広島とは7ゲーム差。確かに厳しい数字ではある。しかし、広島の中継ぎ、抑えは安定していない。今は打線ががんばっているが、いつまで続くか。中日がひっくり返せないことはない。

 

 ただ中日のこのメンバーならば本来、もっと勝っていていい。なぜ、そうならなかったのか。選手が相手に勝つことに集中して伸び伸びとやっていないように映る。ベンチを見て野球をしているように見える。それはベンチが選手を信用していないからだろう。勝つために「これをしちゃダメ」と「これをする」では同じようで全然違う。谷繁監督には、信頼はしないが信用はする、という姿勢でいってほしい。

 

 優勝するためには勢いも大事。そこで期待するのが大野だ。11日の西武戦(西武プリンス)では前日の延長戦で登板した中継ぎを休ませるために145球を投じて完投するなど男気がある。ベンチを盛り上げる投球ができる男だと思う。(本紙評論家)