中日のドラフト1位ルーキー・小笠原慎之介投手(18)が「聖地」に帰ってくる。24日から甲子園球場で行われるウエスタン・リーグの阪神3連戦中に先発することになった。

 小笠原は5月24日にプロ初の一軍昇格を果たし、3試合に先発し、0勝1敗、防御率3.60(20日現在)。試合はつくりながらも、いずれも5回で降板し、長いイニングを投げることができず、球種不足も露呈した。そうした課題の克服のために、17日に出場選手登録を抹消された。

 阪神二軍戦で内容の良い投球を見せれば、7月1日からの本拠地・ナゴヤドームでの阪神3連戦で一軍再昇格の可能性もあるが、いきなり1試合だけで長いイニングを投げて結果を出すのは普通なら難しいこと。しかし、チーム内からは「場所が甲子園ということで劇的に変化するのではないか」との期待の声が出ている。

 小笠原は昨夏の甲子園V左腕。チーム関係者は「小笠原にとって甲子園は庭みたいなもの。はっきり言ってプロで勝つよりも甲子園で優勝投手になる方が難しいからね。甲子園の申し子のような子だから、ここでは運を持っていると思う。ここできっかけをつかんで一軍に戻ってきて大暴れしてくれるのでは」というのだ。

 甲子園での二軍戦出場について小笠原は「特に関係ないです」と無関心だったが、周囲は勝手知る聖地での登板で殻を破り、プロでもスター街道をばく進してほしいと願っている。