このままではヤバい!阪神最下位転落の防止策

2016年06月17日 16時00分

室内練習場で打撃練習を見守る金本監督

 阪神が16日現在、セ・リーグ4位タイの借金4、交流戦でも5勝9敗と苦しんでいる。その一番の原因は低調な打線だ。就任1年目の金本知憲監督(48)は、そのやりくりに必死だが、本紙評論家の伊勢孝夫氏は「このままでは最下位に沈んでしまう」と厳しく診断。その上で打開策を提示した。

 

【伊勢孝夫「新IDアナライザー」】オリックス戦(甲子園)が雨天中止となった16日、金本監督は17日からの強敵・ソフトバンク3連戦に向けて「セ・リーグはどこも勝ち越していない。最後のチャレンジだね。勝てば勢いが出ると思う」と意気込んだ、と聞いた。だが、今や相手チームがマークすべき打者は福留、鳥谷、ゴメスくらいであとは怖さを感じない。この打線では3点取られた時点でお手上げという状況。6月は投手陣に疲れが出始め、打者有利になるころだが、その時期に打てないというのは深刻な問題だ。

 

 点が取れないことによる“二次被害”も心配。藤浪、メッセンジャー、能見、岩貞ら先発投手陣は粘り強い投球をしているが、援護に恵まれない場合が多々ある。打線に回復の兆しが見えずこうした事態が続けば、投手陣の緊張の糸が切れてしまう。もちろん、表立って打線への不平を言う投手はいないだろうが、心のどこかで「今日も打ってもらえないのか」「いくら頑張って投げても勝てない」という思いがよぎり始めるものだ。

 

 そうなればチームにとってかなりの危険信号。野手陣と投手陣の間に“溝”ができ、指揮官がいくらムチを入れても効果はない。今の阪神ならズルズルとリーグ最下位まで落ちる危険性も十分にある。過去に私もコーチ時代にそんな形で下位に沈んだチームを何度か見てきたから言える。

 

 防ぐにはどうすればいいか。私はこれまでも打線の固定を提言してきたが、それだけでなく「細かい野球」にも立ち返ることだ。最近こそバントをする場面も増えたが、打てないならば、とにかく得点圏に走者を進めるためにもっとバントを活用してもいい。また、和田前監督(現シニアアドバイザー)が取り入れていた“右打ち”を徹底するのも手だ。最後までしっかりとボールを見てコンタクトすることで打撃改善にも生かされる。

 

 必死に1点をもぎ取る姿勢も問われる。イニングごとに円陣を組んでもいい。事前に入念なミーティングをしているだろうが、いざ試合に入れば予想と違うこともある。経験がある選手は自ら考え、対応できるが、若い選手には「こういう方向でやっていこう」という助言が“生の現場”で必要だ。そのためにもしつこいと思われるほど円陣を組むことを勧めたい。

 

 優勝に向けた借金のリミットは「5」だと私は思う。今がまさに瀬戸際だ。

 

(本紙評論家)