巨人・山口 らしくない4失点で気になる今後

2016年06月10日 16時00分

打球に追いついた大田だったが…

 最強セットアッパーがもがき苦しんでいる。巨人は9日の西武戦(西武プリンス)に4―7で逆転負けを喫し、交流戦首位の座から転落した。誤算だったのは、2番手で登板した山口鉄也投手(32)の大乱調。1点差を守りきれず、1/3回3安打1死球4失点で試合をひっくり返された。今季は早くも3敗目。本来の姿とは程遠い左腕の扱いは、ベンチにとっても悩みの種となっている。

 

 先発・大竹寛は中盤まで文句のない投げっぷりで、打線も小刻みに点を重ねて5回を終わり3―0。ここまでは理想的な試合展開だった。ところが6回、大竹寛が3安打で2点を失い1点差に詰め寄られると、途端に雲行きが怪しくなった。

 

 由伸監督は7回から山口にスイッチ。ところが、これが大誤算だった。一死無走者で木村昇が左翼右へ放ったライナーを左翼手・大田がグラブの土手に当てて落球して二塁打にする不運はあったとはいえ、金子侑の三塁打で同点に追いつかれ、1番・秋山の二塁打で勝ち越しを許すと、続く栗山に死球を与え、一死一、二塁として降板。3番手・西村も流れを止められず、メヒアにとどめの3ランを浴び、勝敗が決した。

 

「使い続けてもらっている以上、頑張らないと…」とうつむきがちに肩を落として引き揚げた山口。由伸監督は「(1点差で好打順での登板が)難しいのはわかっているけど、そういうところを経験している投手だし、信頼して送り出しているわけですから」と複雑な表情で、左腕に奮起を促した。

 

 山口は昨季、前人未到の8年連続60試合登板という金字塔を打ち立てた。チームが日本一になった2012年には72試合に登板し、防御率0・84という驚異的な成績も残している。だが当時は絶対的だった左腕も、今年で33歳。150キロを超える速球は影を潜めている。シーズン5敗を喫した昨年ごろから、らしくない投球も目立つようになってきた。

 

 由伸監督率いる新首脳陣も、山口の異変に危機感はあった。そのため今季は“ポスト山口”として、キャンプから2年目の戸根に白羽の矢を立てた。しかし、その戸根は開幕から安定感を欠き、19試合で防御率4・50(9日現在)。ブルペンでは「勢いだけで投げている」と酷評されており、評価は防御率が5・64まで跳ね上がった山口に届かない。

 

 戸根のほかに山口に代わる中継ぎ左腕候補は見当たらない。首脳陣も山口のデキが本調子ではないと知りながら、今は実績を買って、使い続けるしかないのが現状なのだ。

 

 尾花投手コーチは、山口について「一度リフレッシュさせる? そういう考えもあるけど」と語ったが、山口は投げ続けることで状態を維持してきた投手。年齢的にいっても、休ませれば復活するという保証もない。当面はベンチもファンも、祈るような思いで背番号47を送り出し続けるしかなさそうだ。