来季から出来高を含むと最高15億円超という破格の3年契約を結んだ広島のクリス・ジョンソン投手(31)が8日の日本ハム戦(札幌ドーム)で先発。精彩を欠いた投球で5敗目を喫し、首脳陣を落胆させた。

 2012年オフにはブライアン・バリントン投手(35)と2年契約を結んだことがあるが、この時期に複数年契約を結ぶのは異例。某球団幹部によるとバリントンともシーズン中に契約交渉を行ったが、実際にまとまったのは初という。「新球場効果で観客動員が増えたのも大きい。お客さんが後押ししてくれた結果です」(同幹部)

 しかし、この日の投球は広島ファンをガッカリさせる内容となった。いつもの制球力が影を潜め、毎回走者を出す苦しい展開。緒方孝市監督(47)も「カットボールもツーシーム、チェンジアップもだめ。軸になる球がない」と嘆き節だ。

 別のある首脳陣も「強力な戦力。3年うちにいてくれるのは力強い」としながらも「3年だけど“一試合一試合”を丁寧に投げてほしい」とモチベーションの低下を危惧していた。

 とはいえ、6回3失点でクオリティースタートには開幕から12試合連続で成功。ジョンソンも「失点した4回だけ。それでも強打されたのは1本ぐらい」と強気の態度を崩さないが、高額契約も期待の表れなら、厳しい指摘も期待の裏返しだ。次回は“後押し”してくれたファンに報いる投球を期待したい。