阪神は8日のロッテ戦(QVC)に3―8と敗れて今季3度目の3連敗。借金は今季ワーストの2となった。4試合連続の2桁残塁でゴメスら勝負弱い打線をやり玉に挙げた金本知憲監督(48)だが、開幕当初にあったチーム全体の活気が徐々に消滅気配。球団内からは新たな起爆剤となる「金本チルドレン」のコマ不足を憂う声まで出ている。

 9回無死満塁の好機も奪った得点は押し出し四球の1点のみ。13残塁の恥ずかしすぎる拙攻での3連敗に怒り心頭の金本監督は「チャンスに弱いということしかない! 勝負どころでなぜ打てないのか、原因を考えないといけない」とナインを批判した。中でも4打数無安打3三振に終わった4番ゴメスを「速い球には振り遅れ、相変わらずワンバンのボール球に手を出している。調子が上がってこない。今はどん底」とやり玉に挙げた。

 今季ワーストの借金2。高山ら「金本チルドレン」が苦しみ、ベンチ内には疲労や停滞感が漂いだしているが、さらに、ある球団幹部はこう憂う。「チームの状態が芳しくない時ほどフレッシュな選手が出てきてくれるとありがたいもの。活気を与えてムードを変えてくれる選手。若手有望株なんかは、そういう存在になれるのだが、今、そんな選手が見当たらない。有望株が早々と登場してしまった感がある。(開幕一軍だった)横田が(再び一軍に)上がってきたが、2回目。インパクトが少ない」

「超変革」を掲げ、若手を積極的に起用してきた金本監督は、ここまで高山、北條、横田を開幕から一軍に抜てきし、育成選手だった原口を支配下に上げてスタメン起用。2年目の江越や3年目の陽川、ドラフト6位ルーキー・板山も一軍で使った。だが、それも当たり前になり、確かに開幕時のような衝撃度はなくなってきた。しかも二軍にいる緒方、中谷ら「金本チルドレン」の“残党”の状態ももうひとつとのこと。要はコマ不足に陥っているとみているのだ。

 借金2について金本監督は「それは関係ない。関係ないけどこれが実力だから」とも話す。活気ある「救世主」は、本当にもういないのか。まだ開幕から61試合。さらなる「超変革」を期待したいところだが…。