<広島3-2日本ハム(7日)>先発で今季0勝の広島若手左腕が二刀流を完全攻略した。広島は7日の日本ハム戦(旭川)で高卒5年目・戸田隆矢投手(22)が6回1失点と好投。今季3勝目、先発としては初白星を飾った。

 鍵を握ったのは15試合連続安打中だった大谷との対戦だ。この日は3番指名打者で出場。小林コーチは「“投手”の大谷ではない。打者なのだから遠慮するな」と内角攻めを指示。それを確実に実行した。

 初回の対決では内角攻めから外のスライダーで三邪飛。3回一死二、三塁のピンチで迎えた第2打席は初球、2球目と内角直球ですぐに追い込むと、最後は外角低めのスライダーで空振り三振に切って落とし、窮地を脱した。6回一死で迎えた3度目の対決では、これまでの打席を逆手にとり、一転して外中心。内角への意識を植え付けられていた大谷は、最後は見送ればボールに見えた外の変化球に腰砕けとなり、2打席連続の空振り三振。戸田の球を前に飛ばすことさえできなかった。

 戸田は「内に厳しくいって、外の曲がり球でという考えだった」とプラン通りだったと告白。制球が不安定だった救援のジャクソンが8回に左前適時打を打たれたため、大谷の連続試合安打は16に伸びたが、この日の配球は他球団にとっても“大谷攻略法”として参考になったはずだ。