
阪神は6日現在、交流戦2カードを終えて3勝3敗だが、今後はロッテ、日本ハム、ソフトバンクとパ・リーグ上位3球団との対決が控える。ここを乗り切れるか。手薄な救援陣と日替わり打線でのやりくりに頭を悩ませている金本知憲監督(48)に本紙評論家の伊勢孝夫氏がチーム再浮上の「方策」を伝授する。
【伊勢孝夫・新IDアナライザー】私が知る複数のパ監督が阪神の“猫の目オーダー”に首をかしげている。開幕から59試合で実に49通りとあって「あれだけ打順を変えているということは金本監督は苦悩しているということだろう」「役割が固定しきれていなくて怖さを感じない」という具合。金本監督は「このメンバーで固定する方が間違っているし正直、固定できない」と話しているが、とっかえひっかえしすぎると浮足立っているとみられる。そこで私はしばらく打順を固定することを勧めたい。
もちろん、役割を明確にするということもあるが、何より「打てなくても固定するほど自信があるのか。今までの方針から一転しているのは、なぜなんだ」と対戦相手を不気味に思わせる効果がある。
経験上、勝負事で一番ダメなのは相手に“なめられること”。脅威を与えるためにも今後は我慢して固定することだ。
投手起用については4、5点取られても限界まで先発を引っ張った方がいい。パ球団は阪神攻略法として「リリーフに弱点ありだから先発を降ろせば何とかなる」と分析している。守護神のマテオが離脱したことで藤川が代役を務めているが、パの中継ぎに比べて脆弱なのは否めない。接戦の展開で6、7回に藤浪やメッセンジャーを降ろし、リリーフ勝負に持ち込もうものなら「代えてくれてありがとう!」と拍手されてしまう。幸い阪神の先発は6人揃っている。長く投げさせるほうが相手は嫌がるはずだ。
高山、北條ら若虎はパの各打者の打席での必死さを参考にしてほしい。例えばロッテ・角中や岡田、日本ハム・中島などはどんなにブサイクな格好になっても食らいつき何とか塁に出ようという意識がある。高山らにはそれが感じられない。人気球団の阪神と結果にシビアなパの違いかもしれないが、やはりハングリー精神がないと一流にはなれないし「超変革」の成功もない。(本紙評論家)